【大学】「男の世界」大学応援団になぜ「女性団長」が増えている？バンカラ明治大学では初の女性班長

日刊ゲンダイDIGITAL2022/06/15 06:00
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大学応援団といえば、バンカラ、質実剛健とまさしく男の世界の印象。1921（大正10）年創設の明治大学応援団はその最たるものだが、応援団に初の女性班長（団長）が誕生している。彼女の応援指揮の下、明大野球部は今春の東京六大学野球のリーグ戦で6季ぶり41度目の優勝を果たしている。

こうした女性団長は今や珍しいことではない。他大学を見渡しても、慶応義塾大学、東海大学、近畿大学、関西学院大学、同志社大学、東北学院大学などがすでに女性団長を輩出。同時に女性応援団員も増えている。

なぜ女性団長が増えているのか？

「明治大学は、建学の精神を〈権利自由、独立自治〉、大学の理念を〈個を強くする大学〉としています。また、はやくから女性の教育機会平等を実現し、日本初の女性弁護士を送り出した歴史もあります。今日では、多様性の尊重と包摂性も理念として掲げております。これらの理念を掲げる大学として、本学の学生が性別や背景に関係なく個性や能力を発揮し、自分らしく活動していることは、今回の応援指導班班長の件のみに限らず、喜ばしいこととして捉えています」（明治大学・広報課）

■ジェンダーフリーは当然
明治大学応援団は、吹奏楽部、バトン・チアリーディング部、そして応援指導班が同列同格で構成されている。部員数は圧倒的に吹奏楽部とチアが多く、したがって明治大学応援団の役職上の団長（リーダー）も多数派である吹奏楽部の女子学生が務めている。

もちろん、大学のようなアカデミアの世界でジェンダーフリーは当然のこと。むしろ男女の垣根がないことで、明治大学応援団応援指導班のLINEによる団員募集の告知も〈新歓イベントへの参加やお問い合わせはこちらで受付中です！　皆さんの参加を心よりお待ちしています〉と様変わりしている。

だがしかし、こうした女性団員の活躍の背景には応援団の団員不足があることも忘れてはならない。

「東洋大学の応援団は男子1人と女子1人の計2人。亜細亜大学は男子2人のみ。1906年創設の同志社大学応援団にしても、今や団員は男子2人、女子1人の3人しかいないそうです。どの大学もコロナ自粛期間中に1、2年の新入団員が入らず、現団員とOBが存続のためにがんばっているところです」（マスコミ関係者）

いずれ学ラン姿の応援スタイルも変わっているだろう。