騒がしく、落ち度だらけ 世界初のパンデミック五輪ピック閉幕

「ショウ・マスト・ゴー・オン（Ｔｈｅ　Ｓｈｏｗ　Ｍｕｓｔ　Ｇｏ　Ｏｎ）」

英国バンドのクイーン（Ｑｕｅｅｎ）が１９９１年に発表した最後のオリジナルアルバム『Ｉｎｎｕｅｎｄｏ』に収録されているタイトル曲だ。
ボーカルのフレディ・マーキュリーはアルバム発売から６週間後にエイズで亡くなった。タイトル曲には声を絞り出し、また絞り出すフレディ・マーキュリーの最後が収められている。クイーンのギタリスト、ブライアン・メイは収録を控えて「無理しすぎるな」と助言したがフレディは聞かなかったという。
まるで最期を知っていたかのように。２０２０東京オリンピック（五輪）競技場の至るところでこの曲が響いた。

クイーンの音楽は選手たちに寄り添った。開幕式の会場に響いた『手をとりあって（Ｔｅｏ　Ｔｏｒｉａｔｔｅ）』が代表的だ。１９７６年、日本ファンのために発表した曲だ。
「手を取り合って／このまま行こう／愛する人よ／静かな宵に／光を灯し／愛しき／教えを抱き」。世界で初めて開かれたパンデミック五輪にこれほど合う曲はないのではないかと思う。

実際、クイーンは五輪と縁が深い。『伝説のチャンピオン（Ｗｅ　ａｒｅ　ｔｈｅ　ｃｈａｍｐｉｏｎｓ）』は１９７７年に登場して以来、五輪広告と切り離すことができない音楽になった。大衆によく知られていないストーリーもある。
フレディ・マーキュリーは１９９２年スペインのバルセロナ五輪開幕を５年後に控えて、世界的なソプラノ歌手モンセラート・カバリェと『バルセロナ（Ｂａｒｃｅｌｏｎａ）』を歌った。
この曲はバルセロナ五輪の主題歌として１９８８年に選ばれたが、フレディがエイズで亡くなったという理由などで公式主題歌からは結局除外された。

騒がしく落ち度だらけの東京五輪が８日閉幕した。無観客なうえに競技場の外では選手もマスクをしなければならなかった。特別規定も導入された。コロナ検査で陽性診断が出て出場することができなくなった選手は失格ではなく出場していない選手に分類した。
コロナ感染で出場を諦めた選手も出た。五輪の熱気のせいか、日本のコロナ感染者は連日最大値を更新している。国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）は「同じ場所にいることはできなかったが、同じ瞬間を共有できたという事実は私たちに取って絶対に忘れることのできない経験になるだろう」と伝えた。
世界初のパンデミック五輪に対する評価は時間が流れた後に出てくるだろう。ただし選手団、さらに踏み込んで人間の意志だけは肯定的に評価したい。「化粧が剥がれても、私は笑顔で居続ける。ショーを止めるわけにはいかないんだ」（クイーン）。

カン・ギホン／産業第１チーム記者

https://news.yahoo.co.jp/articles/ae0f4122a78426a042f2843b1fbaea78eff7c49f