観光船にドライブレコーダー義務付けへ　国交省

北海道・知床半島沖の観光船沈没事故を受け、国土交通省は28日、小型旅客船の運航事業者に対し、船舶内の映像などを記録する機器の設置を義務付ける方針を固めた。船舶版のドライブレコーダーで、映像などを基に船員の教育訓練に生かすとともに、事故発生時の原因解明にも役立てる。事故の再発防止策を話し合う28日の有識者検討会で同意を得た。

事故の被害者家族から同省に設置を求める意見が寄せられていた。国交省によると、現時点で船舶専用のドライブレコーダーはなく、メーカーによる開発も必要になる。

船舶版ドライブレコーダーは船長の動作や船の前方が映る機器を想定する。機器の防水性や、屋根のない渡し船などには構造上設置が難しいといった課題もあり、義務付けの対象事業者は今後、詳細を検討する。

2022年4月に事故を起こした知床遊覧船の観光船「KAZU　Ⅰ（カズワン）」は海底で発見され、6月に網走港に陸揚げされた。船底に亀裂のような損傷が確認されたが、事故の目撃者はおらず、当日の詳しい運航経路や事故発生場所など不明な点が多いことも原因究明のハードルとなっている。

28日の検討会では、法定の無線設備から携帯電話を除外することも決まった。つながりにくい海域があるためで、11月から新たな船舶設備規程が適用される。

知床の事故では船長の携帯電話が、通信会社の通信エリア図では運航コース上の大半で圏外だったことが判明。最初の救助要請が乗客の携帯電話からだったことが分かっている。

日本経済新聞　2022年9月28日 20:07
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUE28A970Y2A920C2000000/

どうせ役人のチェックは甘々だし