日銀の九州・沖縄の景気判断、全国9地域で唯一「回復」…「旺盛な投資で相対的に元気」

日本銀行の景気判断では、九州・沖縄は着実に上向いている。

　日銀福岡支店は、21日に発表した7月の九州・沖縄の金融経済概況で、景気について「緩やかに回復している」との判断を示した。個人消費が堅調なことが主な要因で、大山慎介支店長は21日の記者会見で、「来春以降も賃上げが続くとの期待があり、消費マインドは堅調だ」と話した。

　景気判断は2022年以降、段階的に上方修正しており、今年に入って5月と6月に続けて引き上げた。

　個人消費は、百貨店での衣料品や高額品が好調で、観光需要も増加。自動車の販売も伸びているとした。大山支店長は「国内外の往来が活発になり、波及効果が出ている」と評価した。

　九州・沖縄の景気判断は全国的にも高く、日銀の7月の地域経済報告（さくらリポート）では、総括判断が「緩やかに回復している」となり、前回4月の「持ち直している」から一段引き上げられた。全国9地域で唯一、「回復」の表現が入った。

　大山支店長は「旺盛な投資により、九州が相対的に元気だ」と話し、TSMC進出に伴う半導体関連の能力増強や工場新設の動きをプラス要因に挙げた。ただ人手不足について「（商品やサービスの）供給制約になり、（販売機会の）逸失につながっているとの声がある。影響を慎重に見ていきたい」と警戒感を示した。

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