【韓国政府】１２大国家戦略技術に３０兆ウォン投資…世界先導級分野６個に増やす

韓国政府が１２大国家戦略技術分野に５年間で３０兆ウォン（約３兆２７８０億円）以上を投資し、現在の半導体、ディスプレー、二次電池の３分野水準の先導級分野を６分野に増やすことにした。昨年９月に国家戦略技術育成に関する特別法が施行されてから政府が初めて出した案だ。科学技術情報通信部は２６日に開かれた国家科学技術諮問会議審議会議で第１次国家戦略技術育成基本計画を発表した。昨年政府が公式確定した半導体・ディスプレー、二次電池、モビリティ、原子力、バイオ、宇宙航空・海洋、水素、サイバーセキュリティ、人工知能（ＡＩ）、通信、ロボット、量子の１２大国家戦略技術を育成する具体的な案だ。今年から２０２８年まで５年間の政策課題が盛り込まれた。

韓国政府は２０２８年までに１２大技術分野に３０兆ウォン以上を支援する計画だ。３大ゲームチェンジャー技術に指定したＡＩ・半導体、先端バイオ、量子分野は今年の２兆８０００億ウォンから来年には３兆４０００億ウォン（６月末、諮問会議審議基準）に投資規模を２４％増やす。月着陸船開発など短期的な成果を出せる分野に集中投資するフラッグシッププロジェクト１０件に対しては３兆ウォンを投資する。ここに含まれなかったロボット、水素、サイバーセキュリティなどに対しては下半期中にどのようなプロジェクトを始めるのか決める計画だ。

技術先取りと競争力維持と直結する核心事業は戦略研究事業に指定して管理する。科学技術革新本部で今年末までに担当官庁と事業を指定すれば、各官庁で研究所など事業実行の主体を定める方式だ。

国家戦略技術を研究または事業化する機関と企業に対する恩恵を増やす。技術保有の確認を受けた企業に対しては上場特例に続き政策金融、公共調達、税制優遇などを支援する。特化研究所、特化教育機関、地域技術革新ハブなどで構成された革新拠点も設ける。最初の特化研究所は医療用データ活用研究を進行中のソウル大学病院だ。

１２の技術を水準別に先導、追撃・競争、未来挑戦に細分化し、それぞれに合わせた形で支援する案も出した。現在政府が判断した韓国の先導技術分野は半導体、二次電池、通信の３つだ。政府は先導技術を６分野に拡大する計画だ。追撃・競争分野であるＡＩ、バイオ、原子力などは研究生態系を拡充して早期の商用化を推進し、未来挑戦分野である量子、宇宙航空、水素などは世界的協力体系に能動的に参加するという構想だ。

今回の基本計画は１２大国家戦略技術に焦点を合わせてまとめられた。戦略技術高度化を通じて科学技術主権を確保するという趣旨だ。今年の研究開発予算削減で科学技術界の批判を受けた政府は来年の研究開発予算を２４兆８０００億ウォンと策定し昨年水準に回復させた。

政府が大規模支援計画を明らかにしたが科学技術界では不足するという評価が多い。今回の基本計画で基礎研究に対する部分が抜けているからだ。基礎研究連合会長を務める釜山（プサン）大学化学科のチョン・オクサン教授は、「選択と集中が必要な戦略技術は多様性と持続性が確保された基礎研究とともにしてこそ高められる。宇宙航空、量子などは１０年以上を見据えて基礎研究とともに進まなければならない」と話した。

予算削減による衝撃が最も大きかった基礎研究分野は来年には過去最大規模となる２兆９４００億ウォンの予算が策定された。チョン教授は「基礎研究は種を広くまかなければならないだけに、研究の機会自体が増えなければならない」と強調した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/641605cd11d75e93d620197e1bdb00dc161660d5