【山口地裁】「同じ障害を持った多くの人が平穏に生活している」　伯父を包丁で刺殺、４３歳のおいに懲役１２年の判決

ことし１月、宇部市で、伯父を包丁で刺して殺害したとして殺人などの罪に問われた４３歳のおいの裁判員裁判で、山口地方裁判所は、懲役１２年の判決を言い渡しました。

宇部市の無職、国平和夫被告（４３）は、ことし１月、宇部市の市営住宅に住む伯父の国平政一さん（当時７５）の頭や首などを包丁で突き刺すなどして殺害したとして、殺人と銃刀法違反の罪に問われました。

これまでの裁判員裁判で、検察は、「被告の犯行はひときわ残忍な行為だ。自閉症スペクトラム障害で柔軟な発想が困難なことは否定しないが、同じ障害を持った多くの人が平穏に生活している」などとして、懲役１５年を求刑しました。

一方、弁護側は、「伯父に殴られそうになった経験などから、殺さないといつまでも不安が続くという強迫観念があった。強い殺意は障害によるものだ」などと述べ、懲役４年の判決を求めていました。

２０日の判決で、山口地方裁判所の小松本卓裁判長は、「犯行の違法性が非常に大きいことを考えると、被害者の行為が犯行に及ぶ決断に与えた影響は限定的だ」と指摘しました。

そのうえで、「障害の影響を踏まえても被害者を殺害する以外の選択をとることは十分に可能であり、責任を大きく軽減するものではない」などとして、懲役１２年の判決を言い渡しました。

判決後、取材に応じた弁護人は、「裁判所が被告人の障害についてまったく理解を示さなかったことは問題だ。控訴については、被告と十分に話をしてから検討する」と話していました。

10月20日 17時33分
https://www3.nhk.or.jp/lnews/yamaguchi/20221020/4060015147.html

くさそう

その時を心して待つといいわ