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競技団体「日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟」のミスによって、ボブスレー男子日本代表がミラノ・コルティナ冬季五輪(2026年2月6〜22日)に出場できなかった問題で、新たな事実が発覚した。
不出場の確定後に開かれた連盟の会議で、組織の立て直し案を提案した理事に対し、優越的な地位にある連盟トップの北野貴裕会長が「今回のヒアリングはあなたの『反省の弁』を聞きたいわけ」「肝心なところがあなたはできないんだから。できなかったんだから」などと、パワハラ的な発言を連発。さらには「(不出場という)結果から分析するなんて、バカでもチョンでもできる」と差別発言を用いて、理事を批判していた。いずれもフロントラインプレスが入手した会議の音声記録で判明した。
「チョン」は韓国・朝鮮人に対する蔑称で、人を差別する意味で使われることがある。オリンピック憲章は、いかなる差別も禁止することを掲げている。北野氏は日本オリンピック委員会(JOC)の副会長も兼職しており、専門家は「アジアへの貢献を掲げてきたJOCの歴史に反する発言」と指摘する。
なぜ、このような差別発言が会議の場で発せられたのか。背景を取材すると、連盟内で北野氏に対して意見を言いにくい構造が浮かび上がってきた。
※「チョン」は差別用語であり、使用すべき語句ではありませんが、この記事では出来事を正確に伝えるため、そのまま使用しています。
ボブスレー男子の五輪不出場は、五輪への出場資格獲得のルール変更を日本ボブスレー・リュージュ・スケルトン連盟(以下、「連盟」)のスタッフが見落としていたことが直接的な要因だったとされ、連盟は問題発覚後、原因究明と改善策の確立に向け、スタッフらに対するヒアリングを断続的に開いていた。問題の会議もその一環で、開催は2月2日。北野氏をはじめ、濱川久子・理事副会長、畑中淳子・専務理事らが出席し、オンラインで開催された。
この会議でのヒアリング対象者は強化担当の連盟理事(当時)。国際ルールの変更を確認する直接の担当ではなく、会議では同じミスを繰り返さないための組織体制の改善や、選手へのバックアップ体制を提案していた。ところが、会議が始まって40分ほどが経過した頃、北野氏が突然、「私の方からいいですか」と議論を制止し、この理事に対して激しい叱責を浴びせ始めた。
北野氏はそれまでに出た具体的な組織改善策については一切触れず、「今頃になって分析しているけれども、あなたは何も分析ができないし、計画性もなかった。だからこういうことが起きた」と理事への叱責を開始。「スポーツ界に関わっていることを恥だと思わないとダメだ」など、人格を否定するような発言を繰り返した。
関係者提供
差別的な言葉を用いてパワハラ
「結果から分析するなんて、バカでもチョンでもできる」という差別発言が出たのは、約20分間に及ぶ叱責の最中。北野氏はそれを撤回することもなく叱責を続け、他の参加者も何も言わずに黙っていた。
叱責を受けた理事は大学院でスポーツ科学を学んだ専門家で、大学で教壇にも立つ。その知見から、ボブスレー男子が世界レベルで戦うためには、体格が大きく、かつ俊敏な選手の育成が必要と提言。会議では、連盟内に国際部門を新設することや、韓国を始めとするアジアのチームとの連携強化など具体的な再建案を提示したが、北野氏は一顧だにしなかった。その挙げ句、北野氏は最後に「これからスポーツ科学の道でやっていこうっていうんだったら大きな勘違いですよ、あなた」と言い放ち、会議を打ち切った。
厚生労働省が2018年に作成した「パワーハラスメントの定義について」によると、①優越的な関係に基づいて(優位性を背景に)行われること ②業務の適正な範囲を超えて行われること ③身体的もしくは精神的な苦痛を与えること、または就業環境を害すること――の3要素を満たすものがパワハラに該当する。
北野氏から激しく叱責されたこの理事は、連盟を去ることになったという。連盟関係者は「競技力向上に熱心で人望も厚かったが、責任を取らされる形になった」と話す。
※音声はこちらから👇
問題の会議では、国際ルールの誤認や海外遠征時の準備不足といった不手際が過去にも繰り返されていたことが取り上げられた。しかし、北野氏はこれらについて「初めて聞いた」と主張。そうした出来事が連盟の幹部で共有されていなかったとして、「隠蔽」があったのだろうと断じている。
この北野氏の主張には、複数の関係者が強い疑問を呈している。
フロントラインプレスがスローニュース上でこれまで報じてきた通り、連盟による国際ルールや大会情報の誤認は、2022年の北京冬季五輪出場を目指していたチームでも相次いでいた。元選手は「連盟には当時、何度も改善を求めた。北野会長にもそのことは伝わっていたと聞いている。それでも何の対応もなかった」と証言する。
当時の選手たちは連盟にガバナンスの改善を訴えるとともに、JOCに公益通報もした。しかし、公益通報は無視され、問題は解決しないまま、ミラノ・コルティナ五輪を迎えてしまった。別の元選手は「北京五輪の出場を逃した2022年時点で連盟が真摯に対応していたら、今回のミスは起きなかったのではないか」と悔しさをにじませる。
3月30日には元日本代表選手たちが「公益通報が無視され続けた」と記者会見を開いた
「韓国は信用できない」と連携を却下
一方、「バカでもチョンでも」といった、特定の国に対する北野氏の差別的な振る舞いは、過去にもあったと複数の連盟関係者が指摘する。
「2018年の平昌(ピョンチャン)冬季五輪を機に韓国ではボブスレーのコースが建設された。その後、韓国チームとの連携強化を求める声が上がったが、過去に韓国チームとトラブルがあったわけでもないのに、北野会長が『韓国は信用できない』と個人的な偏見で却下した。選手やスタッフは落胆していた」(連盟関係者)
また、韓国で合宿ができない理由について、連盟のスタッフから「北野会長が韓国嫌いだから」との説明を受けた、と複数の選手が証言している。
スポーツの世界では、フェアであることが何よりも重要だ。先述したように、オリンピック憲章は、すべての差別をなくすことを掲げている。
オリンピック憲章では「いかなる形態の差別にも反対」と明記されている
差別発言への対応も厳しい。2021年には、東京五輪・パラリンピック大会組織委員会の森喜朗会長(当時)が、女性蔑視発言により辞任。同年に開催された東京オリンピックでは、自転車競技のドイツ代表チームのコーチがレース中に人種差別的な発言を行ったところ、ドイツ・オリンピックスポーツ連盟は即座にこのコーチを帰国させ、解任した。
北野氏は現在、JOCの副会長も務めている。1998年の長野冬季五輪の招致に関わった元JOC職員で五輪アナリストの春日良一氏は、こう話す。
「長野大会は、日本がアジアの冬季五輪スポーツのトレーニングセンターになると訴えたことが世界の共感を呼び、招致成功の原動力となった。北野氏の言動は、アジアへの貢献を掲げてきたJOCの歴史に反するものだ。今回の五輪不出場の原因は明らかに連盟にあり、その代表者の責任は非常に重い。北野氏が連盟のトップとして責任を果たすしかないだろう」
北野氏は2012年に連盟の会長に就任して以来、14年間にわたってトップに君臨している。連盟の内規である「役員選考委員会規程」によると、役員候補者の選考基準は最長6期12年までと定められているが、任期の上限を超えて北野氏が会長職を続けていることについて公式の説明はない。
連盟関係者は「スタッフが意見を述べても、北野会長が気に入らなければ叱責されるだけ。建設的な議論を重ねることができないので、問題が起きても根本的な解決策がとられないことが繰り返されてきた。それに耐えかねて連盟を去った優秀なスタッフや選手は多い」と話す。
スポーツ庁のガバナンスコードでは差別やパワハラの問題を重視している
ボブスレー日本男子は強豪国ではないものの、1972年の札幌冬季五輪から12大会連続で出場を続け、実績を積み上げてきた。その後は3大会連続で五輪出場を逃し、低迷が続いている。ミラノ・コルティナ五輪の出場を逃したことで、連盟の体質に絶望して引退を決めた選手もいるという。ある現役選手は「この連盟は選手の方を見ていない。今の体制のままでは、4年後の五輪出場も間違いなく無理だ」と嘆く。
一連の問題について、連盟はどのように考えているのか。フロントラインプレスは連盟に質問状を送ったが、期限までに回答はなかった。JOCに対しても北野氏の差別発言についての見解をたずねたが、期限までに回答はなかった。
朝鮮渡来人のあまりの半端振りに
いつ日か朝鮮人そのもの指す言葉となった説が有力
80歳くらいの高齢者ならまだ擁護もできたかも知れんがアウトやね
担当者が当たり前のことを当たり前にやっていればこの人もこんなことを言わずに済んだわけだから、
言われた側にも同情はしないし謂れがないとも思わないけど
公益性がないように思う
字面ではなく意図の問題でしょ
なぜなら、分析や反省といった理性的な動きは、既得権益に依存するトップにとって最も恐ろしい脅威だからだ。差別用語という劇薬を用いることで、異論を唱える者の知性を貶め、論理的な批判を感情的な対立へと矮小化させる。不祥事を個人の資質の問題へとすり替え、組織の構造的な欠陥から人々の目を逸らさせるための、極めて巧妙な心理戦がこの発言の裏側には張り巡らされている。
スポーツ予算や民間の寄付を集める立場の会長は仕事がやりにくくなるから叱責したくもなるだろう
ノーベル賞受賞した際のインタビューでも使ってる人いたし







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