仕事と期待だけ増え給与は増えない「やりがい搾取」に陥る人が増加

社員のやりがい搾取する「静かな昇進」　仕事と期待だけ増えジレンマ抱える
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00118/00380/

先日、連載している他の媒体で「静かな昇進（Quiet Promotion）」を取り上げたところ、その反響の大きさに少々驚いている。

静かな昇進は、「静かな退職（Quiet Quitting）＝キャリアアップを目指さず必要最低限の仕事だけをする働き方」と対をなすようにして生まれた言葉で、昇進や昇給を伴わずに、従業員に新たな業務やより大きな責任範囲が与えられる状況を指す。

具体的には、「役職は変わらないのに、後輩の育成がタスクに加えられた」「ノルマは高いままなのに、育休や介護休暇を取得中の上司の仕事を代わりにやらされている」「上司から『新規プロジェクトに大抜てきされたぞ！』と言われたのでてっきり昇進だと思っていたら、ただ膨大な仕事が増えただけだった」「『マネジメントに興味がある』と面談で伝えたら、チームリーダーを任されてしまった。でも給料は上がらないし、昇進でもなかった」といった相談が、数年前から私の元に寄せられていた。

静かな昇進はかつて社会問題になった「名ばかり管理職」とは異なり、やりがい搾取に近いというのが私の実感だ。年齢的には30代が多く、自分でも気づかないうちに過剰労働に陥りがちだ。

といった内容の記事を公開するいなや、「これ、私のことです」というメールが殺到した。

見えてきたのは、私が想像した以上に彼らの「必要とされている感」が強く、働き方の理不尽さを感じつつも「今のポジションを手放したくない」というジレンマを抱えていたことだった。

以下略